原作『グランブルーファンタジー』の世界観を参考にしたオリジナルやる夫系スレのWiki

とある空域のとある島のとある豪邸の隠し部屋
豪華な椅子に腰掛け酒の注がれた杯を揺らす家主と膝をつき額を地面に擦り付けるメイドの姿がそこにはあった
顔が影で隠れて性別不明な家主がメイドへと語り掛ける

【それで?件の巫女は取り逃したと?】

『は、はい……まさかこちらの追手から逃げ切り他の島に逃げ出すとは……』

【言い訳は聞いてないぞ。私は貴様に何と命令したか覚えているか?】

『そ、それは……あの神官長の屋敷にメイドとして潜入し、件の巫女が自発的に家から外に出るよう誘導して屋敷から離れたところを確保せよ、と……』

【そう。私はそう命令した。だが結果はどうだ?巫女は島の外に逃げ、貴様達はおめおめと手ぶらで報告しに戻って来た】

『そ、それはあの子が宝物殿から持ち出した妙な岩の力で捕獲部隊が足止めを受けてしまい……その隙に浮遊する岩に乗って離陸直前の騎空艇に逃げ込まれてしまったのです』

【妙な岩だと?あの屋敷の宝物殿にある岩……まさか御本尊の欠片か?なら例の信憑性が増したか……】
【ふむ、まぁいい。最終的に死なさずにここに連れてくればよいからな。今は巫女の居場所を探すのが先決だ】

『は、ははっ!ただちに部隊を派遣します!』

【頼むから私をこれ以上失望させないでくれ。いいか、何としてもあのカムヅミ家の娘が死ぬ前にここに連れてこい!】

了解しました!と言い部屋からメイドが立ち去るのを見届けた後、家主は椅子から立ち上がり近くの机の上に置いてあった古ぼけた書物をめくる

【御本尊……かつてこの島に豊富な自然をもたらしたとされる星晶獣オオカムヅミ。その身体の一欠片とはいえ力を使いこなすとは……やはり私の目に狂いはなかった】
【我が家に伝わる古文書に記された伝承が今この時に顕現するとはまさしく僥倖!】
【「星晶獣オオカムヅミの加護を受けた巫女。その身体からは桃の香りを漂わせ、その体液は果汁の如き甘露なり」】
【「巫女の心臓、喰らえば永遠の若さと健康をもたらす『禁断の果実』なり」……いや、私にとってまさしく『黄金の果実』だ!】
【フフフ……もうすぐだ。もうすぐ私は不老不死を手にするのだ。フッハハハハ!!!】


『……にしても雇い主が時々呟いてる伝承とあの子の症状、微妙に違うんだけど本当に大丈夫なのかねぇ?』

そんなことをぼやきながらメイドはターゲットを追いかける為に潜入中の職場……島最大の宗教団体「桃山教」の大神殿へと休暇届を出しに向かうのであった

To be continue…

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